何かありそうで何もない。

せかい系自己矛盾腐女子の生存報告。まだ生きているようです。

FINAL FANTASY XV(FF15)エンディングテーマ「Too Much Is Never Enough」和訳+解釈&考察

盛大なネタバレ注意。クリア後に見てください。

英語はフィーリングのため間違いがあったらすみません。FF15は日本語と英語の実況動画を交互に見ながら一周。
イタリック体が歌詞。繰り返し部分省略。
*が解釈と考察。複数通りの可能性が考えられたものは、番号をふっています。
 

And the crown it weighs heavy
'Till it's banging on my eyelids 

王冠は重く俺の頭上にのしかかる 
視界さえも覆い隠すほどに

*bang=ドアなどを強く叩く。bang on my eyelidsで、瞼を叩くほど、つまり瞼にかかるほど重く深く王冠を頭上にいただく様子。ノクティスが感じている王としての責務の重さの象徴。


Retreating in cover and closing the curtains...

袖幕へと下がろう、もう幕引きとしよう

*こちらの神考察(「【考察】FF15という幻想に重ねられた現実の神話」/「jm」の小説 [pixiv])によると、FF15ハムレットの物語がベースとなっている可能性があるのだそうです。それを踏まえると、シェークスピアの戯曲の終幕としてのイメージをこの一節から受け取れます。

*Cover=シェルター、安全な場所というのが直訳。このフレーズには、「戦いは終わりだ、安全な場所へ戻ろう」というニュアンスも含まれます。

*retreatという単語ひとつ取っても、これがgoing backとかreturningじゃなくて、retreat。「撤退する」。ノクトの心には、あの物語の終わり方に、完全な満足とか勝利の余韻があるわけではなく、負けとまで言わなくても、「失ってしまった」という、諦めというか、喪失感というか、そういった気持ちがどこかにあることが伺えます。

もう眠りにつこう、カーテンを閉じて

*この場合にはcover=布団。ノクティスはよく眠るキャラクターなので、そのイメージ的にはこちらの訳があっているかもしれません。

どちらにせよ、戦いの時を終えて、安寧の中へ身を委ねる、静かで優しくて、でもどこか諦めや喪失感が感じられる一節。


One thing's for certain, oh
A year like this passes so strangely
Somewhere between sorrow and bliss

ひとつだけ確かに言えることは
とても不思議な一年を過ごしてきたってことだ
かなしみと至福の その間にあるような 不思議な時を

*一年、とあるのはあくまでそういう言い方をしているだけで、実際には物語の中でノクトが仲間と過ごした時間全体を指しているものと思われます。


Oh, who decides from where up high?
I couldn't say "I need more time"
Oh, grant that I can stay the night
Or one more day inside this life

これからの行く先は 誰が決めるというのだろう(俺にはもうどうしようもない)
もっと時間が欲しい、なんて言えるはずもなかった
どうかあと一晩 叶うなら あと一日だけ お前達と生きることができたなら

*from where up high……forwardなど、前へ進む、という意味の言葉でなくて、上方向へ向かうup highを用いているところが、天上へ向かうイメージを持たせ、ノクティスの来るべき死を予感させているように思います。

*grant thatは、神などに対して〜を与えてください、と祈る意味の言葉。

Too much, too much, too much, too much, too much
Never enough
Too much, too much, too much, too much, too much
Never enough
Too much, too much, too much, too much, too much
Never enough
Too much, too much, too much, too much, too much
Never, never, never enough

どんなに多すぎたとしても 決して十分だとは言えない

*タイトルにもなっているこの言葉の意味は、記事の最後に。


Oh, you wondrous creature
Coming up who we are

大いなる水神よ お前が俺(達)にあるべき姿を示してくれた

*creature=生き物、特に聖なる動物(ハリー・ポッターなどの魔法動物にはcreatureが使われている)。

ここでは、ノクトが水神リヴァイアサンから啓示を受けたことや、他の神々を指しています。ただこの場合、後ろのwho we areが、I=俺、じゃなくて、we=俺達、になっていることに納得がいかない……。この歌の歌詞のほかでは一人称がI(=ノクト)だから、ここだけweなのは気まぐれではないと思うのですが。あるいは、ノクト一人のことじゃなくて、神の力に守られたルシス国民全体を指しているのかもしれません。

*come upには、「思いつく(ここでは示す、と訳出)」の他に、「日が昇る」とか、夜明けが来る、という意味もあるので、まさしく、夜に閉ざされた国を救うために戦うノクトの旅路の果てというイメージが重なっているように思います。

素晴らしき人よ お前が俺(達)にあるべき姿を示してくれた

creatureは確かに人に対しても一応使う用法はあるらしいです(good creature=善人、とか)。単数系なので、素晴らしい人はLuna一人を指していると考えるのが自然ですが、歌詞だから、複数形が省略されていて三人の仲間達を指している可能性も、ありえないとは言えないです。ただその際にも疑問なのは、①同様IとWeの問題。

ノクト あなたの生き方が、私たちにあるべき姿を示してくれた

*この部分だけ歌手がキャラへの呼びかけ的に使っていると解釈するパターンです。Wonderous creature=ノクトで、歌手が自分たち、ゲームの外側にいる人間をweで指して、その生き方を讃えている?

And who cares about the thing I did that night?
So what? Maybe Luna had it right
And who cares if I'm coming back alive?
So what? 'Least I have the strength to fight

俺があの夜為したことを誰が気にかけるというだろう
だからなんだっていうんだ? たぶんLunaは正しかったんだろうな
もし俺が生きて帰ったとして 誰が気にするものか
だからなんだっていうんだよ 少なくとも俺は 戦うだけの強さを持っている

*(人)+have it rightで、(人)は正しい、という意味。「たぶんLunaは正しかったんだろうな。」
ここにわざわざmaybe=たぶん、をつけている!
この物語の終わり方は、ノクトがLunaから王としての責務を全うした結果であり、指輪を託されて、自分で選択し決断したものだけど、やっぱりそれは、彼自身にとって(王としてではなくて、ノクト自身にとって)本当に100%俺はこれで満足だ、と言えるものではなかったという気持ちが隠れているように思います。

ノクトは本当は四人でずっと一緒にいたかったのだと思う。それに対して、「でもこれで良かったんだ」と言ってるかのように聞こえる。やばい書いてて泣けてきた。

*この歌詞の部分が具体的に何を示しているかは解釈の幅がかなり広くとれます。

順当に考えると、夜に為したこと、は、アーデンとの最後の戦いのように思えるけれど、I did that nightと過去形になっているから、その戦い以前の、例えばクリスタルにとりこまれたこととか、あるいは、nightの複数形が省略されているとして、ノクティスがクリスタルの中で過ごした10年間(世界が闇に閉ざされていた10年)を指している、なども考えられます。

「And who cares if I'm coming back alive?(もし俺が生きて帰ったとして誰が気にするものか)」、は、実際にアーデン戦後のノクティス生存説を主張しているのではなくて、おそらく、ゲームの最後に流れたLunaとの結婚式のことを指して、「(実際には俺は死んでしまったけれど)生きて帰ってきたかのような 幸せな夢を見るくらい許されるだろ」というノクティスの気持ちを表しているのではないでしょうか。

*Who caresは、どこか「誰が気にするもんか」という投げやりで自暴自棄な印象を受ける言葉。ここにも、決断を下したのは自分ながら、どうせそういう運命なんだろ俺は、と、どこか寂しげに笑うノクトの表情が浮かんで見えます。
仲間にはそういう不平不満を漏らさず一人決意を胸に秘めていたノクトだからこそ、who caresのような率直に心境を吐露する言葉が胸に刺さります。


One other year; a hundred flags flying in a field
Time to let go of me

いつの日か 無数の旗が地上にはためくことだろう
もう俺を解放してくれたっていいだろ

 * ノクティスの勝利と、国の救済、そして王としての責務を全うした彼の死を暗示している一節。

最後、タイトルのToo much is never enoughについて。
英語版のエンディングを見ていて気づいたのですが、
ラストのキャンプシーンで、ノクトが、「俺な 覚悟して帰ってきたんだよ けど なんかこうしてお前らの顔見たらさ……悪い やっぱ辛ぇわ」と他の3人に零す場面。

この「やっぱ辛ぇわ」、英語だと、「It’s more than I can take.」となっているんですよね(画像参照)。

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It’s more than I can take、直訳では「俺には背負いきれねぇよ」だけど、これと同じ意味でよく使う英語表現が、「That’s too much.」。

勘弁してくれよ、とか、いい加減にしてくれよ、みたいなときに、「That’s too much.」と言う。

この曲は、この最後のシーンでのノクトのセリフをタイトルにしていて、まさにこのキャンプシーンでのノクトの心境を歌っているのではないでしょうか。

Too much is never enough、は、「Too much」が王としてやらねばならないこと、王としてのノクトの宿命や責務で、never enoughは、「分かっているんだけど、それでも俺の(ノクト自身として、仲間と生きたかったという)心を殺すには十分じゃない」という、まさに「やっぱり辛い」というノクトの気持ちを表しているんじゃないかと。

 
FF15、本当に素敵なゲームでした。
自分はゲームに苦手意識があって、これまでこういったRPGはプレイしたことがなかったのですが、実況が本当に面白かったので、いつか自分でもプレイしてみたいと思います。
四人が大好きです。